HDF(血液ろ過透析)とは、血液透析にろ過を加えた治療法です。通常、血液に血圧という圧力がかかり腎臓というフィルタでろ過を行い、余分な水分や老廃物を取り除いて血液をきれいにしています。ろ過という力を透析より多くかけることで、種々の老廃物を取り除く治療法がHDFなのです。
現在多くの腎不全患者様に行われている血液透析でも、尿毒素などは十分取り除けるものの、中長期間の治療継続による種々の病因物質は、ろ過の力が必要になります。そして、そのろ過の量を可能な限り多くした治療法がオンラインHDFになります。
IHDF治療は現在国内で設置されている装置では、一部でしか治療を行う事が出来ない治療法です。IHDF とは、透析膜を介して濾過・補充を断続的に行う新しいタイプの治療法で、オンラインHDFの一つの方法として認められているものです。当院では、平成26年9月よりJMS社製透析用監視装置GC110Nを導入し、IHDF治療を行っております。
具体的には、1回200mlの透析液を30分に1回、2分間で透析膜を介して血液側に間歇補充します。そして30分毎、その分の透析液を身体から回収するといったことを繰り返す治療です。
この治療は従来の血液透析と比較し、定期的に行われる補液により末梢循環が改善され、除水に伴う循環血漿量減少による血圧低下を予防できることが期待されます。また、定期的な補充(逆濾過)により透析膜性能の経時的変化の抑制も期待されます。